甘い涙


 もともと人見知りの激しい私は、新しいクラスで友達がすぐ出来るはずもなく、高校入学直後の生活に逆戻りした様な気分だった。
 香織ちゃんという友達が出来、一年間が夢のように楽しかっただけに、淋しさは前と比べようもない程だった。
 休み時間や昼食時、香織ちゃんと会う前どうしていたのか全く思い出せない。
 ━一日が長いな…━
 休み時間、私は机の上、両手をまくらに目を閉じた。
 春の日差しは閉じた目にも明るく、暖かかった。
 いつしか私はウトウト眠ってしまった。