この一年間、無我夢中だった。
 後見人となってくれた笠松さんに迷惑をかけない為にも必死だった。
 バイトをしようとしたが、笠松さんに猛反対され断念した。
 「バイトする暇があるなら勉強しなさい。」
 としかられてしまった。
 親みたいな事を言われ、しかられながらも少し嬉しかったりもした。
 そして、石井 香織ちゃんという友達も出来た。
 普通の高校生活がこんなにも楽しいものだなんて、初めて気付いた。