こっちに引っ越してきて二週間。


もうこっちでの高校生活にも慣れた。


慣れたんだけど……あたしが転入した学校は元男子校で女子が極端に少ないから友達が……


まぁ、一人の方が気が楽で良いんだけど。


あたしはローファ―に履き替えて昇降口を出た。


あたしが通っている学校は近くに工場があるせいで使われていない倉庫が何個かある。


そしてそのうちの一つの倉庫、第六倉庫の前を通り過ぎた時だった。


いつもは静かなのに今日はやけに倉庫の中が騒がしかった。


それも人の声とかじゃなくてエンジンの騒音。


時にはラッパ音も聞こえてくる。


あたしはその音が気になり倉庫まで引き返した。そしてあたしは固く閉じられたシャッターの前で立ち止まった。


騒音で地面が少し揺れてる。


耳に残るエンジン音。


聞けば聞くほど体が疼くラッパ音。


懐かしい…


「おい」


あたしが目を閉じてその騒音を聞いてたら後ろから声が聞こえてきた。


あたしはゆっくり目を開けて後ろを振り返った。


するとそこには黒髪さんと金髪さんが立ってた。


しかも服装は、昔見慣れた特攻服。


それを見た途端、また懐かしさがこみ上げてきた。


「お前こんな所で何してる」