「よく言われたなぁ」 「何をです?」 「知らない人の甘い誘惑には乗ってはいけません」 「その通りですよ」 「…この大福、毒入り?」 「だったら僕も今毒を食べている事に」 唇の周りに付いた白い粉も気にせず、塩大福にかぶりつく。 大きな黒豆が数個乗っているちょうどいい塩梅の塩大福は、むしょうに美味しく感じられて、どこの物かと尋ねれば、高校生の時に気になっていた、駅で売っていた塩大福と同じ店のものだった。