頬から唇を離すと、今度は翔があたしにキスをした。
もちろん、唇に。
「……なんか、大人っぽくなったな。」
「そぉ?うーん…よく分かんないけどな。」
翔にじっと見つめられて、あたしも見つめ返す。
「可愛いっていうか、綺麗になった気がする。」
「気がする!?何気にひどいよ…。」
瞳に手を当て、泣き真似をする。
「前は、すーぐ会いたいとか云ってたけど最近云わなくなっただろ。」
「うん。前は翔の仕事の事とかよく知らなかったからね。でも最近になって分かるようになったから、迷惑だったかなぁとか思って。」
あたしは手を離して翔から瞳を逸らす。
「迷惑な訳あるかよ…つーか、俺は寂しかったんだけど?愛希が『会いたい』って云ってくれなくて。」
翔に甘ーい瞳で見つめられて、思わず赤面する。

