―――ピーン。 エレベーターが目的の階に着いたことを知らせる。 「っ!…か、ける…」 翔があたしの手をするりと離した。 あたしの右手はなぜかスースーと風を通した。 翔……。 あたしは唇を噛み締めて、涙をこらえた。