「……何ニヤケてんの?」
「べっ別にニヤケてなんか!いたっ」
翔があたしのほっぺたをつねった。
「痛いってば〜」
「なぁ、俺たちが初めて会った日って覚えてるか?」
「えっ…覚えてない…」
「8年前の、今日だ」
「えぇーっ!!知らなかった!」
翔から衝撃の発言。
じゃぁ、今日は記念日ってこと?
「そうならそう、言ってよ〜。夕飯豪華にしたのに」
「いいんだ。普通の飯が食いたい。何も豪華にすればいいってことじゃねぇだろ?いいんだよ、普通で」
「そっか!そうだよね」
頭を撫でてくれる翔の手を取って自分の手を重ねた。

