「わかった〜…」



そう言って、隼は手作りのクッキーを手に、愛美に近づいた。



「…ほら、返す…」



「ありがと……あーッ!」




パクリと隼が食べた。



……ほんとに翔そっくり。
見た目もだけど、性格も意地悪なところが。
将来が心配になっちゃう…。




「まま〜…ぅっ…ひぐ…」



「も〜!隼〜!」



泣きじゃくってる愛美の頭を撫でる。




と、その時。




「ただいま」



玄関から低く、聞き慣れた人の声。




その声を聞いた瞬間、ふたりはダァァっと駆け出した。