あたしの唇に一瞬だけ翔の唇が触れた。 「っ!なっ!?」 一瞬の出来事だったけど、あたしの顔はゆでだこみたいに真っ赤に染まる。 「隙あり。てゆうか、キスあり。」 翔は瞳を細めて笑う。 その顔がカッコよくて、あたしの大好きな翔の笑顔。 こんな顔されたら許さざるを得ない。 「……もぅ!馬鹿じゃない!?」 「ははっ!顔、真っ赤。」 声を挙げて笑う翔をみて、頬を膨らませる。 「愛希さん?そんなに怒るなって。」 あたしは、翔の大きな手の甲を思いっきりつねる。