良く笑い、感情が顔に表れやすい男、ソレが水嶋 靖也。
けれど先ほど伺った彼の表情には何も映っていなかった。
しかし無表情とは違う……酷く冷めた温度がそこにはあった。
自分に光の灯らない瞳があるように、靖也にもおそらく何かが……
共通? 違う、類似する部分なんてないはずだ。
おそらく……そうだったら解かり合えるかも知れないと勝手に思う自分の思想が故。
ふぅ……と吐き出された煙は予想以上に白く。
しかし一瞬で消えてしまった。
「糞不味いな……」
最近変えたばかりの銘柄の煙草に文句をつけながら風を感じる。
数秒後、まだまだ充分な長さのあるソレを靖也は地面に落として踏み潰した。
自分の方に向かって歩いてくる華南の姿が見えたからだ。
「自己中だな」
「お前も対して変わらんやろ」
クルリと背を向けると靖也は「車、取って来るわ」と倉庫の中に姿を消した。
ズボンのポケットからキーを取り出してエンジンを入れると、器用にバックのまま車を倉庫から出す。
丁度その時、車の側面に何発か銃弾が打ち込まれる。
そしてフロントガラスまでにも銃弾によってヒビが入った。
倉庫の入り口付近に居た華南がハッと顔を上げて靖也を見た。
強化ガラスでなかったら……おそらくまともに弾を食らっていたところだろう……
「っ、靖也!」
「アホっ倉庫ん中隠れとけ!」
運転席から飛び出し、車を盾に隠れた誠也は自分の懐に手を伸ばす。
そして大きく舌打ちをした……
「ジャケットん中や……」
つい何時もの癖で銃をジャケットにしまったまま、あの男に被せてしまったことを思い出す。
車の中にも予備の銃は入っていない……
少しだけ顔を上げて様子を伺ったがすぐに銃を連射されて顔を引っ込める。
そして、ふと顔を倉庫の方へと向け靖也は愕然とした。
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けれど先ほど伺った彼の表情には何も映っていなかった。
しかし無表情とは違う……酷く冷めた温度がそこにはあった。
自分に光の灯らない瞳があるように、靖也にもおそらく何かが……
共通? 違う、類似する部分なんてないはずだ。
おそらく……そうだったら解かり合えるかも知れないと勝手に思う自分の思想が故。
ふぅ……と吐き出された煙は予想以上に白く。
しかし一瞬で消えてしまった。
「糞不味いな……」
最近変えたばかりの銘柄の煙草に文句をつけながら風を感じる。
数秒後、まだまだ充分な長さのあるソレを靖也は地面に落として踏み潰した。
自分の方に向かって歩いてくる華南の姿が見えたからだ。
「自己中だな」
「お前も対して変わらんやろ」
クルリと背を向けると靖也は「車、取って来るわ」と倉庫の中に姿を消した。
ズボンのポケットからキーを取り出してエンジンを入れると、器用にバックのまま車を倉庫から出す。
丁度その時、車の側面に何発か銃弾が打ち込まれる。
そしてフロントガラスまでにも銃弾によってヒビが入った。
倉庫の入り口付近に居た華南がハッと顔を上げて靖也を見た。
強化ガラスでなかったら……おそらくまともに弾を食らっていたところだろう……
「っ、靖也!」
「アホっ倉庫ん中隠れとけ!」
運転席から飛び出し、車を盾に隠れた誠也は自分の懐に手を伸ばす。
そして大きく舌打ちをした……
「ジャケットん中や……」
つい何時もの癖で銃をジャケットにしまったまま、あの男に被せてしまったことを思い出す。
車の中にも予備の銃は入っていない……
少しだけ顔を上げて様子を伺ったがすぐに銃を連射されて顔を引っ込める。
そして、ふと顔を倉庫の方へと向け靖也は愕然とした。
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