「失礼しま~す」


あたしは校長室のドアを開けて中に入った。


中に入ると目の前に校長が座ってた。


「今日転入してきました、藤倉 梨空(ふじくら りそら)です」


「よく来たね、藤倉さん。わたしがここに君を呼びだしたのはちょっと警告したい事があったからなんだ」


「警告?」


「本来なら君を今すぐにでも二年B組に案内したいんだがね、少し問題があるんのだよ」


そう言って校長はメガネを指で押し上げた。


「問題?」


「あぁ。二年B組はね、不良の集まりなんだ。本当は君みたいな女子生徒をあのクラスにはいれたくない。だが、人数の面を考えると、どうしても二年B組になってしまうんだよ」


そう言うと校長は立ちあがって窓の方へと歩み寄った。そして後ろで手を組んだ。


「それが問題ですか?」


「それともし学校で問題が起こってもわたし達教師には手に負えない。それにこの学校は元男子高だったからね、女子が極端に少ないんだ」


「それで?」


「まぁ、その辺を十分に理解したうえであのクラスに行って欲しいんだ」


そう言って校長は申し訳なさそうな顔をする。


「大丈夫です」


「え?」


「あたし、別に平気です」


「いや、でも…本当に理解した―――…」


「理解ならしました」