「じゃあ、放課後合コン忘れないでね」 真奈美が席に戻るとき、こそっとつぶやいた。 「分かってるって」 カバンに教科書類を詰め込みながら言う。 合コンの経験は、何十回というほどある。 何回かタイプの人にも出会ったことはあるし、帰りに告白されたこともある。 しかし、付き合ったことはなかった。 その人に対して、ときめきというものがなかったからだ。