『9月、入院、結婚、二人の道』
注釈(場面は変わり、室田の母親が来た日曜の夕方、ママよう子の居酒屋での事)
ママよう子「まあ、飛行機で日帰りですか?それは大変、時間は大丈夫ですか?せっかく来られたのに、もっとゆっくりされたらいいのに。」
享子「タダユキが言っていたお店を、一目だけ見たいと思っていました。もう安心しました。それではこれで、失礼致します。」
注釈(居酒屋に来た室田の母親は、ママよう子に挨拶をして郷里へ帰って行った。)
ヒロミ「飛行機で日帰りなんて、慌ただしいわね。一晩くらい宿泊してもいいのに。」
ママよう子「そりゃ、一人暮らしのアパートだったら泊まるわよ。同姓生活をしている部屋に、母親は泊まれないわよ。」
ヒロミ「あの話しは本当かしら、室田さんが旧華族の出身だって?」
ママよう子「あら知らなかったの、私は前にそれとなく聞いていたから、それ程驚かなったけど、でもまさか本当だったとはね。」
ヒロミ「室田さんの、お母さんが言うから間違いないわね、伯爵って聞いた事はあるけど身近にいるとは思わなかった。栗ちゃんが聞いたら、引っくりかえるわよ。」
注釈(そこへ栗矢とフミヨが入って来る)
フミヨ「おはようございます」
ママよう子・ヒロミ「いらっしゃいませ」
ママよう子「いま室田さんが来ていたのよ、お母さんを空港まで送りに、たった今出て行ったところ。」
ヒロミ「いつもの注文でいいですか?それとも変える?」
栗矢「お任せでお願い」