フミヨ「いらっしゃいませ」
ヒロミ「こちらにお席を用意しています。」
注釈(ヒロミがお客を席に案内すると、フミヨがオシボリを取り出して後を追った。ヒロミは、ビールを取りに戻ってきた。)
ママよう子「あら、栗矢さんと室田さん、よ
うこそ、起こし下さいました。」
室田「おや、改まってどうしたの?」
栗矢「室田、ビールでいいか?」
室田「ズーとニヤニヤして可笑しいヤツ、思いだし笑いなんかして、栗矢、変!」
ママよう子「はい、おビールどうぞ、ニヤニヤして何かいい事があったの?」
ヒロミ「カノジョでしょう。図星でしょう」室田「いない、いない、栗矢に限ってまず無いよ!」
ママよう子「あら、どうして判るの?灯台元暗しって事もあるわよ。」
室田「エーホントか?クリッ」
ヒロミ「アラアラ、もう一人の、灯台元暗が来たわ。」
フミヨ「いらっしゃいませ。・・・うん?何のこと?」
室田「あ、ちょうど良かった、頼み事があった、ちょっとだけホンのちょっとだけ。」
注釈(突然、室田はフミヨとひそひそ話しを始めて、そのうち店の奥で隠れるように、携帯電話を掛け始めた。)
ヒロミ「どうしたの、室田さん」
栗矢「訳わからん、突然あっちに連れていった」
ヒロミ「富美ちゃんを、誘惑しているのかなぁ、私も誰かに誘惑されたいなぁ」
ママよう子「誘惑したい、じゃない?ねぇ栗さん、私は誘惑されても大丈夫よ」
室田「誰が誘惑したって?」
注釈(いつの間にか、室田が戻っていた。ヒロミは別のお客の接待をしている。)
ママよう子「あの子をデートに誘ったの?うまくいった?」
室田「違うよ、あの子じゃないよ」
栗矢「じゃ誰だよ!」