心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー






――バンッ

と無駄に大きな音を立てて屋上の扉が閉まる。


私は、緊張が解けたのかその場にぺたりと座り込んでしまった。


「…足が、」


ガクガクしてる…。


あの女、何者…?
名前、なんだっけ…?

同じ学年なのに、思い出せない。


どうしよう…。
雅大丈夫かな。

あの女と同じクラス…


………あ。

隣の席って言ってなかった…?


どうしよう…どうしよう…。

あの女のこと、雅に言いたいよ…。

でも、言ったら…


“言ったら雅を殺すわよ”


あの女の去り際に言った一言が、忘れられない。


――だめ。言えない。あの女は本気だった。


「…どーしよ………」


最後に言った方法を実行すれば、大丈夫?

“雅と縁を切って”



「…できるわけないじゃん…っ」


大事な大事な雅。

あたし達は2人じゃないと生きていけない。

なにがあったって離れられない…。