思わず目の前のその子を凝視してしまう。
……確かに。
1年経ったとはいえ、その顔立ちは変わらない。
そしてその目も、声も…
「思い出した?」
赤く発色のいい唇がきゅっと引き締まり、三日月型を描く。
「…ほんっと、あの時から目障り」
汚物でも見るかのように、私を見る女。
「………したの」
「?」
「なにしたの」
けど、そんな視線程度で怯える私じゃない。
そんな視線、今までにもたくさん浴びてきた。
ただ、今はそんなことより、私なんかのことより…
「あの時、雅になにしたの」
あくまでも冷静な私が、こんな状況でも雅のことを口にする私が気に食わなかったのか女は一瞬顔を歪ませ、小さく舌打ちをした。
「あら、教えてもらってなかったの?」
けれど、すぐに嘲笑するように口角をあげた。
「…………」
「てっきり知っているかと思ってたわ。……意外と信用ないのね」
「…だからなにしたの」
「本人に教えてもらえば?…まぁ、あの調子じゃ忘れてると思うけどね」
「…………」

