そしてそれを破ったのは、この場に合わない明るい声を発した先輩だった。
「永遠ちゃん、何か勘違いしてない?」
……………は?
ここで何をどう勘違いしろと?
何も言わず黙っていると、先輩は困ったように笑った。
「永遠ちゃんが思ってるような関係じゃないよ。雅とは」
その一言に雅が反応する。
「何言ってんの?彩花」
「え?や、だって永遠ちゃんどう見ても誤解をしている気が…」
「何をどう誤解………あ」
何かを納得したように雅が頷く。
「それは有り得るな。こいつ鈍感だし独占欲強いし」
―――あ゙?
テメェ人が黙ってると思って何言ってんの?
鈍感?独占欲強い?
雅に言われたくないわっ!!!!!
「いや、それは分かんないけど…ほら、雅が永遠ちゃん以外の女子と話すってあんましないし…」
「それはまぁな、ダリィ」
「うん。だから、私と話してるのも珍しい…」
「そりゃな、お前が学校いるときは喋りかけんなって」
「……そんな言い方しちゃもっと誤解を招く気が…」
困りきった顔で雅を見る彩花先輩。
さっきからごちゃごちゃと…。
いったい何が言いたいわけ!?
いい加減痺れをきらして、口を開こうとしたら、雅がハッとしたように私を見た。
「そっか…。俺言ってなかったっけ」
「 ? 」
首をひねると、雅は苦笑いしてあっさり衝撃の事実を言った。
「彩花さ、俺んねーちゃん」

