心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー






だけど、睨んだままの深紅の目をそらさず受け止める。


…やっぱり、ここは譲れない。


その思いが伝わったのか、また大きなため息をついて深紅が目を閉じた。


「……わかった」

「ほんと!?」

「ただし」


深紅はゆっくりと目を開く。


「うちも入る」

「―――…え」


そう来たか…。


え、でも深紅確か――…。


「バスケ部、入るんじゃなかったの?」

「ヤメた」

「なんで?」

「体験行ったら3年に呼び出された」


初めて聞いた事実に自然と目が開く。


「うそ!?なんで?」

「1年がちょーし乗んなってさー」


ダルそうに深紅は欠伸をする。


「は?」


なにそれ。意味分かんないし。


「だからもーヤメた。つか思ったよりもレベル低いし。アレだったら余裕でレギュラーに勝てるね」


バカにしたように鼻で笑う。


ま、実際深紅はめちゃくちゃ上手いからね。

本人が勝てるって言ってるなら、絶対勝てるね。