心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー





―――――…

―――…





「……うそでしょ」


深紅が大きな眼をさらに大きくして、私の顔をまじまじと見つめる。


「いや、マジ」

「絶対続かない」


無理無理。そういうように手をヒラヒラとふる。


そんな否定しなくてもいーじゃん。


そう思ってふてくされた顔をすると、深紅がはぁ、と大きなため息をついた。


「あんた、長続きしないでしょ」

「……」


それはそうですけど…でも、


「陸上、やりたいんだもん」


そういう私を深紅は困ったように見つめた。


そう、陸上。


前からずっと密かに決めていたこと。


走るのが大好きで走るのは誰にも負けたくなくて、中学に入ったら絶対陸上部に入ろうと思っていた。


深紅ももちろん私が走ることが大好きなのは知ってる。


けれど…


「あんた、すぐ諦めるじゃん。飽き性だし打たれ弱いし」

「ゔ……」

「それにまず、練習が嫌いじゃん」

「………」

「そんな永遠に、部活ができると思わないね。先輩にも迷惑かかるし」


ズバズバとかなり痛いところをついてくる深紅。


「今度はちゃんとやるから」


そう言うと深紅はギロリと私を見た。


「その言葉聞くの、何回目だと思う?」


すみません…前科者です……。