心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー





ぞろぞろと新入生全員が教室へ歩き出す。


「入学式マジだるかったー」

「分かるわ。校歌とか知るか」

「だからよね〜。つか先輩達歌ってなかったっしょ」

「歌ってなかったね」


声聞こえなかったもん。


…ほんと、入学式はだるかった。

新入生とかお構いなしにそれっぽい式の内容こなしてくだけ。

唯一参加したのがあの一人一人名前を呼ばれるやつくらい。


……めちゃくちゃジロジロ見られたし。


雅のときが一番凄かったけど。

もーなんか席立ってる人いたし。主に女子の先輩。


そこまでするかよってね。


「てか、なんか結構噂より真面目じゃない?この中学」

「あー分かる。なんかすごい噂たくさんあったけどね」

「あ、でもヤンキーな人達は入学式来ないか(笑)」

「あははっそうかも」


ま、学校に来ても関わりないでしょ。

あー…でも、お兄ちゃんの知り合いとかはいそうだな…。


気をつけとこ。


「あー!教室みっけ!!」


深紅が1年2組と書かれてる、プレートを指差す。


これから1年間、お世話になる。


この教室に。雅と深紅も3人で。



…よろしくね。


そう思って一歩、教室へと足を踏み出した。















これから始まる


波乱の幕開けとなる第一歩を。