「あ、ここだな」
「だね」
探していた武道館は、教室などがある校舎の裏側にあった。
「意外とデケェな」
「うん。この中学剣道強いらしいし」
「へぇ…」
そう言って雅が先に、入口へ進んでいく。
――ガラッ――
「……おー!雅じゃん」
「おっす、貴都(タカト)」
「お前の学ラン違和感あるなー(笑)」
「うっせー。お前に言われたかねーよ」
そう言ってずいずい男子の輪の中に溶け込んでいく雅。
…さっすが学年の王子。
「じゃーね、雅」
「おー。また後でな」
お互いヒラヒラと手を振って別れる。
私は女子の列に行き、深紅に駆け寄った。
「――深紅!」
「おっ永遠〜久しぶり!」
「うんっ。深紅、セーラー似合うね」
「あはは。永遠こそ」
深紅の隣に腰を下ろし、春休みの会えなかった時間を埋めるように話をする。
「てかさー同クラで良かったね」
「だからよ。めっちゃうれしい」
…ほんと、深紅と同じで良かった。
「でもさ、ちょっと心配だわ」
さっきまで明るかった深紅の顔が少し暗くなる。
「なにが?」
「ほら、上下関係よ」
「あー…だるいね、確かに」
と、その時
「はい、静かに。これから入学式の説明をします」
まだ名前も知らない中学の先生だろう人が武道館に響き渡る大きな声で話を始めた。

