「まだ行くとこあるからまた今度遊びに来るよ」
「そう。じゃあまた今度ね。これありがとうねー」
母はゆめを連れて奥へ行った。
「亜紗子ちゃん、いつの間に子供？」
「だから私の子じゃ…、翔は…翔はまともなのね!?」
翔の記憶の中には私には子供は居らず、ゆめの存在もなかった。
なんだか…ほっとした。
そんな翔と、外で話した。
体のことも…まだ健太や両親にも話していなかったけれど、翔に話した。
「…おばちゃん何か錯覚起こしてんのかな？いつも孫がほしいほしいって言ってたから…」
「…翔にまで言ってたんだ」
「…ごめん」
「べつに…謝らないで。…翔が謝ることないじゃない」
「…もう、ゆめちゃん自分の子にしちゃえば？」
「そんな簡単に…。本当の親がどこかにいるんだもの」
「ゆめちゃん、さっき俺のことずっとにらみつけてたよ。亜紗子ちゃんのこといじめたって思ったみたいだな。亜紗子ちゃんのこと本当のママだって思ってるから…いいじゃん？べつに！」
