「そーうーちゃーん♪」


またあいつが来た。


オレの天敵、染野 雪。


男なのに女の子の名前みたいだし、しかも顔まで可愛いときた。


まぁオレも男みたいな名前で人のこと言えないけど…。


「蒼ちゃん?蒼ちゃん、蒼ちゃんってば!」


イライラしてくるような可愛い声。


「蒼ちゃんってばぁ~!」

「聞こえてるから少しは黙れよ!それとちゃん付けすんな!!」

オレは後ろを向いて怒鳴った。

そう、オレは女の子みたいにかわいくない。


むしろ男っぽいんだ…。


可愛いものなんて好きじゃないし、髪だってどうでもいい。服装なんて男っぽいものばっかりだ。


なのに…こいつだけはオレにまとわりついて、可愛いだの髪のばしたほうがいいだの…とにかくうるさい…。


オレより可愛い奴に言われたくねーよ…。