逃げなきゃ殺される…! 幼い私の脳はそう判断した。 「夕!!待ちなさい!!」 「や…やだ…っ…着いてこないで!」 息切れをしながらも休む暇なく暗い道を走り抜ける。木と木が私を包むように立っている。そんな私の後ろから誰かが着いてきていた。 着いてきていると言うよりは追いかけてきている。 そして それに捕まれば私は殺される。 追いかけてきている“誰か”は知っていた。 いつも一緒に居るから─…