少しして店を出た。

一人になると、自然と涙が出てきた。

まだ、外は明るいし、こんな人通りの多い道で泣いてたら、目立つかなぁ。
すれ違う人が、皆変な目で見ている。
でも、そんなの今のあたしにはどうでも良かった。

涙でぐちゃぐちゃの顔で歩いていると、

「樹莉ちゃん?」

誰かにそう呼ばれた。