あれから一週間、仕事は休んでいる。 有給休暇を利用して、引っ越しの荷造りをしていた。 トシとの思い出が沢山詰まったこの狭い部屋。 もう、涙は枯れてしまったよ… どんなに想っても、彼は戻ってこない。 トシは既に、あたしが転勤するのぐらい知っているだろう。 あたしの上司だしね。 新しいスタートを良い気分で迎えられないけど、前向かないと仕方ない。 殺風景になった部屋には日々、段ボール箱だけが増えていった。