これが、トシの答えなんだろう… 涙を堪えたあたしは、トシの顔を見れなくなってしまう。 もう、終わりね。 「トシ、今までありがとう…」 その言葉を残して、あたしは家路に着いた。 追っても来ないトシに、後ろ髪を引かれる思いでひたすら、足を動かした。 彼女と幸せになって… あたしの頬には涙が流れたが、冷たい北風が乾かしてくれた。 必死に言い聞かせたが、次から次へと、良い思い出ばかりが甦っている。