京介は自分から喧嘩を売る事は
中々なかったけど
売られた喧嘩は絶対に買う人だった。
京介の喧嘩には
「危ねえからすっこんでろ」
と言われ参戦する事は出来なかったけど。
相手が大人数でも
京介1人で倒していた。
...今となっちゃあ、自慢の兄貴だ。
「あ、そう言えば...」
京介が何か言いたげな顔で
あたしを見つめてくる。
言いたいならさっさと言えや。
気持ち悪い。
「...んだよ」
早く言えって付け足したあたしに
京介は言い難そうに口を開いた。
「この学校で女なのは
夢亞...お前と」
「ああ」
「宇都宮色羽だけだ」
「宇都宮...」
どこかで聞いたことがあるような
ないような...。

