「ああ、すまない」
そう呟いて京介は
あたしを離してくれた。
「それにしたってよ、夢亞がここに
転入するって聞いて吃驚したぞ」
京介は理事長室にある
長いソファに腰を下ろした。
「ああ、受け入れてくれてありがと」
その場に立ちっぱなしで
礼を言うあたしを京介は
クスっと笑った。
「夢亞が素直なのは珍しいな」
「うるせえよ」
京介の一言で緊張の糸が切れたあたしは
ドカっと向かい側のソファに腰を下ろした。
「ねえ、理事長は?」
「あ、言い忘れてたが
今は俺が理事長だぞ♪」
.....。
理解不能な京介の言葉に
一瞬思考回路が停止した。
「は、今何て?」
信じれないあたしは
もう1度京介に問いかける。

