わたあめ

「急いでんだろ?

 早く行けよ。

 お前の家広いから疲れる。」

いや、貴方の家も十分疲れるんですけど。

拓哉の優しさだって分かってるよ。

でもあたしはそれに応えられない。

「え?あぁ・・・、うん。

 じゃあね。」

あたしが拓哉の横を通り過ぎようとした時。

拓哉があたしの手を掴んだ。

「え?」

あたしは戸惑いを隠せない。