1.『好き、だなぁって。』


春の暖かい陽気のなか。

わたしは玄関の前でいつものように
大好きな人を待っていた。


私の名前は、益山 流莉(マスヤマ ルリ)


そして・・・・

「よっ!おはよ。」

こいつは、あたしの幼馴染の三浦 竜輝(ミウラ リュウキ)

私の、大好きな人。


「おはよ~!!って・・・また寝癖ついてるよ!」

「まじ??流莉直して~!」

無邪気に微笑む竜輝。

はぁ・・・またきゅんってしちゃったよ・・・。


忘れないと!と思っているけど・・・

無理なんだよ!

あたしは、竜輝の髪に手を伸ばし、

寝癖を直した。



「はいっ・・・直ったよ?」

「おぉ~サンキュ~な流莉♪」

と言って満面の笑みを見せる竜輝。



「んじゃ、行くか!」

と言って手を出してくる竜輝。

思わせぶりな行動、やめてよ。

とか思いつつも手を握るあたし。

「うん。行こっか!」

そう言ってあたしと竜輝は学校に向かって歩き出した。



・・・いつからだろう?

竜輝のことを「大好きな人」じゃなく「大好きな友達」として
見だしたのは・・・・


きっと、あいつらに会ってからだ・・・