二匹の野獣と・・・・

コンコン

ガチャッ・・・・


「空海、入るよ~!って・・・きったな!」

空海の部屋は、ゴミ屋敷と化していた。

足の踏み馬のないくらいに山積みの漫画と雑誌。

ちらりと、ベッドのしたから見えているのは、イケナイ本。


「・・・・まぁ、中学3年生だしね。大目に見てやろう」

私は、見て見ぬふりをした。


「ほいっ!起きて!空海!そして、片付けて!!」

ばさっ!と、布団を剥ぎ取り、空海をたたき起こす。



「ってぇ~な!もうちょっと優しく起こせよ!兄・・・ぅお!?」

「おはよう!お兄ちゃんじゃなくてすいませんね。」

数秒固まっていた空海は、ものすごい速さで飛び起き、

そこらへんに散らばっているものを片付けていった。

もちろん、あの本も。

「な、なんで!?いつも起きんのおせぇじゃん!?」

あわわわ、といった言葉がにあう格好。

わが弟よ、姉は悲しいぞ。


「ふふーん。たまには早く起きることもあんのよ。あ、お兄ちゃんが朝ごはん作ってくれてるから。早く降りてくんだよ?」


「わ、わかったからさっ!!!早く出てっ!」


私は急かされるように、部屋を追い出された。


バタンっ!



「・・・・反抗期?思春期?」


男の子ってわかんないなー。