AМ5:00


私は朝早くに目が覚めた。



そういえば昨日はご飯を食べずに寝ちゃったなぁ。

私は、制服に着替えてからリビングに降りた。


「あ、かい・・お兄ちゃん。おはよ」


「おはよ。てか、お前また俺のこと海斗って言おうとしたろ?」


この人は私のお兄ちゃん。

益山海斗〈マスヤマ カイト〉。

23歳。社会人。


「いいじゃん。別にさ!海斗のほうが呼びやすいんだもん。」

放任主義なお母さんと違い、しっかりもののお兄ちゃん。

ほんとに、あのお母さんから生まれた子なのかってくらい。

だから、お父さんのかわりみたいな感じなんだ。

私が物心ついたときにはもうお父さんはいなかった。

昔、お母さんにきいたけれど、今までに見たことのないような怒った声で、

「二度とその人のことを聞かないで。」

と、言われた。

お兄ちゃんに聞いたけれど、

「知らない方がいいこともあるんだよ」

と、言われてしまった。

だから、私はもう聞かないことにした。

これ以上、根掘り葉掘り聞いてはいけないような気がして。



「あ、空海起こしてこい。あいつ、中々おきてこねぇんだよ。」

「んー。わかった」

お兄ちゃんにいわれ、私は空海の部屋に向かった。