思えば、それ以降ずっとその地域で仕事をしながらも、その焼鳥屋さんで食べたことは無かった。

 そう、行くことなどできなかった。

 他の職員も、誰一人として行った者など皆無。

 とある、大先輩の課長もこう言っていた。

「あそこはな、神の領域だ。だから、どれだけ行きたくたって、あそこで酒を飲んではいけない」
と。

 それ程の場所だった。