思えば、それだけではなかった。

 ただそこにいるだけで何か不思議な感覚を得るような場所も多かったし、そんな地域を歩くだけでも興味深い印象を覚えた。

 確かに独特な風土の残る地域だった。

 また、そこで活動をしている老友会(地域の老人たちの集まり)もまた、独特の雰囲気を醸しだし、それは私の行きたい焼鳥屋さんにまで及んでいた。

 だから、決してそこで酒を飲むことなど許されなかった。