狼と兎~a childhood friend~



「いきなり立ち止まってどうしたんだよ…」


「聖が目を瞑りながらそう言った。


「……もう…目、開けて良いよ…」


「どうしたんだよ。もうゲームやめたのか?」


…馬鹿なのは聖じゃない!まぎれもない、今ここにいるあたしが一番馬鹿だ!


大事な犬のウ○コを準備するのを忘れていた!これじゃ全く意味がないじゃないか!


畜生…作戦Aは失敗だ。次は、作戦Bでいく!


作戦Bは、『後姿超美人、顔面見たら即ゲロ吐き作戦!』!


さぁ、まずは後ろ姿と顔のギャップが半端ない人を見つけなければ!


「聖、そのまま普通に歩いてて!」


あたしは聖にそう言ってギャップが凄い人を探した。


一人ひとり、顔をじっくり見た。


すると聖が、


「梨空~!一回、俺んとこに来~い!」


そう叫んだのであたしは仕方なく聖のところに行った。


「何、聖!あたし今、忙しいの!」


「おい!」


聖はあたしの両肩を掴んで一言。


「お前変人だぞ」


「え?」


「人の顔をそんなに、しかもどうどうと真正面から見んじゃねぇよ」