パラレルライン




ある程度作業が進んだころだった。


「ねぇ」


先に沈黙を破ったのは百合の方だった。



「絢美ちゃんって、好きな人いるの?」


えっ


思わず手が止まっちゃった。



百合とこの手の話をしたことがなかったからかもしれない。



「いないよ?」



あたしは答えると作業を再開した。