「じゃあなんで今日なんだよ」

ほら!やっぱり!

「だーかーら!今日!!今すぐ!!聴きたいの!!!」

「…何を」

「あんたの好きな、クレイジービーナスのCDをね」


あたしがこう言った瞬間、龍太郎の表情がパーッと明るくなった。

「クレイジービーナスのCD!?お前クレビーのファンなったの!?」

「いやいや、そこまでじゃないけど…デビュー曲の…あれよ、タイトルなんだっけ」

「YOU ARE VENUS?」

「それそれ、たまたまテレビで聴いてさー…ちゃんと聴きたくなったから、その曲入ってるアルバム貸してよ!」

「おーおー、いいぞ、クレイジービーナスの良さをいろんなヤツにわかってもらいたいからな」

「まじ!?ありがと!!」

「お安い御用よ」

龍太郎、なんか嬉しそう(笑)


でも、その貸す相手が百合ちゃんだなんて…夢にも思わないだろうな…