「「秋!!!」」
瞼を閉じ息をしていない秋を双子は必死に揺する。
それでも秋は瞼を開けない。
やっと状況を理解した和音は頭を抱えて叫び声を上げた。
唇の隙間から赤い液体を流す秋を双子は強く抱き締める。
和音は傍に来た璃亞や美華の言葉が聞こえていないのか首を振りながらいやいやと何回も繰り返していた。
「秋…!」
「秋ちゃん…なんで私なんか……」
「友達だもん…」
「!?」
聞こえた声に顔を上げると咳き込みながらお腹を押さえている秋がいた。
え?、と皆が目を瞬かせた。
秋はため息をつきながら双子に抱かれる"アンティーク人形"を指差した。
「……秋ちゃん?」
「かずね 泣かないで? それは夏、私の分身」
秋は人形を拾い上げて怪我をしている少女のチームリーダーを見構えた。
彼女を睨み付ける秋に突然声が掛かった。
横を見ると蒼也と音が立っていた。
「よ 秋ちゃん。 良かったね 生きてて」
「今まででドコにいたの?」
「ん? あっちチームの人に化けて出だしを伺って……ぶっ!」
「お前のZEROバッチヨコセ」
秋は鎌を持ったパンダのぬいぐるみを蒼也にぶん投げた。
おかげで蒼也の頬にはかすり傷が出来てしまった。

