「ひゃぁ…」
「あ ビックリした?」
「へぇ…案外カワイイ声出せるんだ…」


耳を押さえようとして上げた手を両側に立っている麗と蓮に掴まれる。
そのまま和音の耳に二人は唇を近づけて囁いた。


「「掲示板に日程と参加チームが載ってるよ?」」
「普通に言え!!」


今度は璃亞の後ろに逃げ込む和音を見て麗は歯を見せながら笑う。
蓮は微笑するだけで笑い声すら出さない。
ぷうっと頬を膨らませる和音の頭にポンと誰かの手が置かれた。
見上げると蒼也が和音を見下ろして微笑んでいた。
反射的に顔を逸らす。
そんな和音の態度が気に入らなかったのか蒼也は和音の顎を掴み上げ自分と向き合わせる。
逸らすことの出来ない熱い視線に和音の頬は微かに赤く染まり始める。
小さく開いた口が蒼也を悩ませた。
触れたい衝動を抑えているとき、蒼也の腹に何かがクリンヒットした。
苦しげな呻き声を上げてその場に倒れる蒼也。
和音にも何が起きたかわからなかった。
ただ、一つだけわかったことは…麗と蓮が何かをしたと言うこと。
ニヤニヤと笑っている鏡影兄弟は明らかに何かを仕組んだ顔だ。