『マヒロってパパに冷たくない?』
『あんなのまともに相手してたら命がいくつあっても足りないよ』
『命て』
いや、だって実際そうなのよ。
小さい頃から…!
嫌がるあたしを無理やりヘリに押し込めて…!
わっはっはって笑いながら突き落すっていう…!
「突き落す!?」
「趣味はスカイダイビングの人です」
「それに真緒が巻き込まれるわけだ…」
そうなんですよ。
それ以降あたし、父様と会話するときは一線引く。
だってじゃなきゃ、ことあるごとに「それじゃ飛ぼうか」とか言い出すしね。
冗談じゃねーわよっつってね。
あはは。
「ねえねかっくんそういえばさ、今…どこにいることになってるんだろう?」
「なにが?」
「まおとかっくん」
ほら、もう数分もしないうちにきっと父様が大々的に…無駄なくらいに大袈裟に発表すると思うんだよね。
そったらさ、ほら。
また人が押しかけてきたら嫌じゃない。
パリかな、日本かな?
「ウィーンじゃない?」
「…………なんで?」
「だって一昨日ここでパーティーがあって、そこで勘違いされたんだから。この辺にいると思うんじゃない普通」
「…………」
蓮くん…あなたって人は。

