秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


「……なにお前、誘ってんの?」


「は?」


なにを? え? どったの?


「まあいいけど…。じゃ、体ごと」


「なあに? …!」


はわわっ…。


かっくんに急に抱きしめられてびっくりした。

ぐいんって腕を引かれて、半ば胸に倒れ込むように。


「かっくん…」


そう言いかけたら、くいっと顎を掴まれて。

なんだか色気のある目に見つめられ、心臓をわしづかみにされたようにきゅんとなった。


どきん、どきん、どきん。


高鳴っていく鼓動。

ゆっくり近づいてくるかっくんの顔のせい。


ぎゅっ…と右手で服の裾を握りしめながら、静かに瞼を閉じた。


「…っん…」


あ…。

ヤバイ泣きそう。


あったかいよ…。優しい。


さっきのあれが嘘みたい。

気持ち悪かっただけのものと同じ行為とは思えない。

胸の奥が疼く感じ。



キスって……こんなに気持ちよかったっけ?



「…ん?」