かっくんの言った通りとりあえず中に入りながら、通訳として一人ひとり適当に紹介した。
「あ、あれはシュンだよ。ウィーン版かっくんだよ。日本語分かるからね」
「ほんまや! なんかかっくんに似とるなあ」
「あ?」
「か……楓くんに似てますなぁ…」
「てか……シュンが通訳してよ」
「俺かい」
「うんうん」
「カエデがいるじゃあねェか」
……かっくんがそんなことしてくれるとは到底思えない。
ずぇったいに。うん。
「じゃあ楓くんに似てるっていう彼もしないんじゃ…」
「そんなことない! 似てるけどその他に対する優しさの違いが…ハッ…」
こ、こわい!
かっくんが睨んでる! 超怖い!
「え……えと…このナルシーっぽいのが蓮くんでぇ…このばかの象徴みたいのがしゅっちゃんでぇ…」
「ちょっとちょっと真緒ちゃん、ナルシーっぽいってなにさ」
「ちょいちょい真緒たん、ばかの象徴てなんやねん」
ど、動揺してるだけです。ごめんなさい。
ほら、人って冷静じゃないとき、本音がぽろっと出ちゃわない?
「それさらに失礼」
「……あれ。そお?」
『分かる! ナルシっぽいねそこの彼』
きゃっきゃ笑いながらハディがそう言う。ドイツ語…蓮くんが分からなくてよかった…。

