秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


あたしが着替え終わってガチャっと扉を開けると、目の前でまだ二人は言い合っていた。


「だーかーらー、裸エプロンとかくるくるくるーとか私してみたかったんだもん真琴とっ」


「そんなだから逃げられたんでしょ…」


「にっ…! 逃げたの!? 真琴ってば逃げたの!? 私から!?」


「とにかくそれはあなた個人の趣味であって、“男の夢”なんかじゃありませんって。したけりゃ一人でやってればどうです?」


「一人でどーやるのよ」


「知らね」


「があん!?」


……。


「すっかり仲良くなっちゃって❤」


「仲良くねぇし」


「仲良くないの!? ちちとむすこなのに?」


父様心配しなくても大丈夫大丈夫。

どう見てもすっごく仲良いから。うん。

照れてるんだよきっと。

本気に見えるけどきっと照れてるんだよ。


「おい…」


はっ…!?

し、しまった。普通にのほほんとしてる場合じゃないし。

さっきまでの気まずさはいずこに!?


「じゃー失礼しますよ。ご覧の通り、もう着物も脱いでんだし」


「ううっ。くるくるくるーがぁ…」


嘆く父様にくるりと背を向けて、(なぜか)あたしをぐいんと引っ張って、かっくんはすたすたと歩きだした。


「……あの…。写真撮らせていただいても…」


「ダメ」


ケチ。