ちょっと警戒しながら呼びかけると。
『ハッロー!』
『元気、マヒロ!』
『アッシュ…リジュ』
なぜまた!?
しかも嫌そうなシュンをなぜいつも連れてくる…!?
『ねえそろそろでしょー? でさ、同じ日から学校も冬休みじゃない。せっかくチケットタダで手に入ったんだし、行きたいなって思って!』
『えーそうなの!』
『だってこれせっかくもらったのよ!? 行かない手はないじゃないっ』
いや、あ…そう。まあ別にいいけど…。
『何時のフライトで行くの?』
『んっとねぇ、朝早くよ』
『えーうっそー! やだショック~…。その日の便、朝は空いてなかったのよ…。しょうがないわ、遅れて行きましょ。…間に合うよね?』
『うん、たぶん』
もぐもぐとケーキを口に含みながら答えていたら、『それ美味しそう!』と奪い取られてしまった。
「お。俺そういうの好きなんだ」
「そうなの? 意外」
びっくりしながらもお皿を差し出したら、サンキューと言いながら一切れつまんだ。
「あ、でもそしたらすごいね!」
『なにが?』
『だってさ、りんりん達もニューヨークに行くんだよ。全員集合❤』
『そうなの! 久しぶりじゃな~い』
リジュとハディとしばらく話に花を咲かせ、その日は別れた。
なんでも、ニューヨークに行くことを知らせに来ただけらしい。

