「か弱いレディだからな」
「まー…。そこんとこは似てないのねぇ」
「誰に?」
そんなんあたしのかっくんに決まってるじゃないの。
そうやってさり気なく気を遣ってくれて、有無を言わさず持ってくれるとことかは似てる。
だけどそういうセリフをさらっと言うのはシュンだけだねぇ。
『おおマヒロ! 待ってたぞっ』
『あ、ケイン』
『んーっ❤よくやったなマヒロ、可愛かったぞ~!』
出入り口で待ち構えていたケインがドドドーッと駆けてくると、あたしの脇に手を入れて抱き上げ、ぐるんぐるん回った。
「うにゃあ~~~!」
こ、これこそっ…幼稚園児扱いじゃん…!?
『いや、本当に。ブランクを感じさせない素晴らしさだった!! なにより可愛い❤』
『どしちゃったのーケイン』
可愛いなんて言うことなかったのに、急にどうしたのかしらねぇ。
相変わらず抱き上げられたまま首を傾げると、『私はバイオリンを弾いてるときのマヒロが一番好きなんだよ』と嬉しそうに言った。
そんな風に言われるのは嫌じゃない。
あたしにとってもバイオリンはとても大事なものだから、むしろ嬉しい。
『そう? ありがと』
『じゃ、中に入りなさいお前達。今日からあの曲の練習を再開しよう』
『ねえ降ろしてよーケイン』
『幼稚園のガキじゃあるまいし、なんだよそれー』
『確かに小さいけど』
『シュンってば!!』
なんでそう小さい小さい言うわけっ。

