―――……
それから十数分。
ホテルの手配も済ませ、満足したあたしは倉庫から出るためかっくんに降ろしてもらっていた。
両手を伸ばしてくれるかっくんの胸に飛び込むように降りると、しっかり抱きとめてくれる。
結構細身に見えるのに、やっぱり男の人は違うなぁと思った。
『さ、ほらイチャついてないで行きましょ』
『イチャついてる? どこが?』
『抱き合ってるじゃない』
『降ろしてもらっただけですよ』
なに言ってらっしゃるのかしら。
いやあねもう、おほほ❤
…とか言いながらも、そこを出てからもずっとかっくんの手を握ってたわけだけど。
まあこれは認めますけど。
でもこれは…ほら、癖…みたいな…?
なんてことを考えながら構内に向かっていると、案の定…。
『いた! マヒロ様~!』
「様!? 真裕様!? うちの使用人がいるんですか!?」
『いや、そうじゃないだろ』
だって今、真裕様って確かに…。
『ファンの子達は崇拝してるんだから仕方ないんじゃない?』
「…崇拝してて様付けといえばさ、かっくんの自称許婚はどうしたんだろうね」
「おい…蒸し返すなよ嫌な話を」
「ご、ごめんなさい」
だってあれ結局どうなったのかなーって気になったんだもん。
今頃ハンカチ噛みしめてそう!

