「当たり前だ。本気で言ってたら相当イタい。色々」
「なんかね…そう面と向かって言われると、あたくしがイタいと言われてるように感じるんですが」
なんでこの人遠慮ってものがないのかな?
ううん、遠慮とまでは言わない。
せめて…! 遠回しな言い方するとかさ…!?
…うん、いや、いいのよ?
それはそれでこの人の良さだし。
いいっちゃいいのよ? だけどねぇ!?
「腹減ったなそれより。何時だ?」
「……一時…ですね…」
でしかもこの、切り替えの早いこと早いこと!
ついていけませんよその早さ。
「お昼にしましょおね、ね」
室内電話を手にしながら呟いた。
「あーもしもしー? おなかすいたー。焼きたてのクロワッサンが食べたーい。三十分以内にー」
だれーんとベットにだれながらさり気なく無茶を言ってみた。
「焼きたてを三十分てお前…」
『さ、三十分でございますか…!? わ、分かりました。少々お待ちください!』
坂本さんは早々とそう言って、ガチャンと電話を切った。
「…あらま……本気にしちゃったよ」
「お前な」
そういえば…坂本さんも冗談が通じない人だっけ…。
「この場合どう考えても冗談には聞こえなかったぞ」
「だってでもさ、どう考えたってムリじゃん。そこは『ムリです』…って言うとこじゃない?」
「お前のとこの使用人はどうも忠誠心が強いからな」

