秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


悔しさに目を閉じ、次にぱっと開いたときにはびっくりした。

びっくりしすぎてのけ反った。

てかもう後ろに落ちるかと思った。

それを支えてくれたのはかっくんだったわけだけど…でも元を正せば、かっくんの顔が異様に近かったからびっくりしたわけで…。

…うん。結局あれかな。

プラマイゼロ。

…みたいな?


「…で…? なんでしょう?」


「……別に」


「あ…そう…」


…え、あ、ホントに何でもないわけね?

戻っちゃった。

なんだったんだろう…。

あたし時々…かっくんが分かんないよ?


「それよりお前こんなぼーっとしてていいのか?」


「ん? なんで?」


「あれ…」


「ん? どれ? ……あ」


かっくんが指差したのは書類の束だった。

しかしそれにはいやーな思い出…というかなんというか、嫌なやつを思い出すのだ。


「そういえば……また行かなきゃならないん…だっけ?」


父様をさ、見つけ出してシメてやったあとに聞いた話によればさ。

もう一回行かなきゃならないんだって。

てめーで行けよって言ってみたらさ、なんて言ったと思うあのバカ。


『だって私❤もうすぐ引退じゃん?』


『…うん❤ばいばい❤』


殴ったよ。

初めて殴ったよ(たぶん)。