悔しさに目を閉じ、次にぱっと開いたときにはびっくりした。
びっくりしすぎてのけ反った。
てかもう後ろに落ちるかと思った。
それを支えてくれたのはかっくんだったわけだけど…でも元を正せば、かっくんの顔が異様に近かったからびっくりしたわけで…。
…うん。結局あれかな。
プラマイゼロ。
…みたいな?
「…で…? なんでしょう?」
「……別に」
「あ…そう…」
…え、あ、ホントに何でもないわけね?
戻っちゃった。
なんだったんだろう…。
あたし時々…かっくんが分かんないよ?
「それよりお前こんなぼーっとしてていいのか?」
「ん? なんで?」
「あれ…」
「ん? どれ? ……あ」
かっくんが指差したのは書類の束だった。
しかしそれにはいやーな思い出…というかなんというか、嫌なやつを思い出すのだ。
「そういえば……また行かなきゃならないん…だっけ?」
父様をさ、見つけ出してシメてやったあとに聞いた話によればさ。
もう一回行かなきゃならないんだって。
てめーで行けよって言ってみたらさ、なんて言ったと思うあのバカ。
『だって私❤もうすぐ引退じゃん?』
『…うん❤ばいばい❤』
殴ったよ。
初めて殴ったよ(たぶん)。

