「ね、日本とウィーンの時差ってどのくらいだっけ?」
「向こうのが八時間遅れてるね。今は深夜のはずじゃないかな?」
「じゃあ夜に電話しよーっと」
また無理を言うんだろうな花梨は…。
つくづく僕もよくこんなの達と付き合ってられるなと思うよ。
「はーいはいはいはい、席につけー」
授業開始三分前、パンパンと手を叩きながら真緒ちゃん曰く“ネーミングセンスゼロ”の佐藤先生が入ってきた。
「そんじゃー題して、『みんなで仲良く大・合・宿・祭☆』の打ち合わせだっ。期間が長いからな。今から念入りに計画を練るのだ」
「みんなで仲良く…って、相変わらずおかしなセンスしてるわよね」
「個性だよ個性」
「……」
耳打ちしてくる花梨に言い放つと、なにか言いたげな素振りをしたけど結局黙り込んだ。
「それじゃあまず…」
カッカッと黒板に文字を書きながら、ぺらぺらと喋り出した。
合宿なんて、面倒なだけなのにな…。
「まあ五人組マイナス二はとりあえずセットでいいな」
とりあえずセットなのか…。
「じゃあそこに入りたい奴手ェあーげて」
―バババッ
「全員かよ!? じゃんけんだバカヤロー!」
「えーもういいじゃんみんな一緒で!」
「そーだそーだっ。みんな仲良くなんたらこんたらなんだろー!」
…と、このように騒がしく、今日も始まったのだった。

